InfiniTalk2.0のアーキテクチャーについて、特徴的な部分を記載します。
AsteriskについてはAsterisk1.8ドキュメント
https://wiki.asterisk.org/wiki/display/AST/Asterisk+1.8+Documentation
を参照してください。
用語
- プライマリーサーバー・・・2重化されたサーバーの主のサーバー。
- セカンダリーサーバー・・・2重化されたサーバーの副のサーバー。
- ACT(アクト)・・・2重化されたシステムの利用しているサーバーの状態。
- SBY(スタンバイ)・・・2重化されたシステムの利用していないサーバーの状態。全てのアプリケーションが稼働しているが、利用する為のIPアドレスが付与されていない。
- ライセンスファイル・・・ソフトウェアアプリケーションを利用する権利として、インフィニトークが発行する暗号化されたファイル。
- アプリケーションIPアドレス・・・2重化されたサーバーのACT系で利用するIPアドレス。論理IPアドレス、フローティングIPアドレスともいう。
- スタンドアローン・・・ACT/SBYの切り替えができないサーバーおよびアプリケーション。
アプリケーションの構造について
- InfiniTalk2.0・・・・Asterisk1.8の設定、管理を行うジェイエムエスユナイテッド株式会社ライセンスによるソフトウェア。
- Asterisk1.8・・・・・アメリカアラバマ州のデジウム(Digium, Inc.)が開発しているオープンソースのIP-PBXのソフトウェア。 GPL 2 ライセンスで配布。
- Apatche2.2・・・・・、Apacheソフトウェア財団のApache HTTPサーバプロジェクトで開発が行われている。Apache Licenseの下でソースコードが公開および配布。
- Php5.4・・・・・動的なウェブページを実現することを主な目的としたプログラミング言語、およびその言語処理系である。Phpライセンスに基づく、オープンソースライセンス。
- PostgreSQL9.1・・・・・BSDライセンスに類似するライセンスにより配布されているオープンソースのオブジェクト関係データベース管理システム (ORDBMS) 。
- Redhat/CentOS6.3・・・・・Linuxのディストリビューション。
システム構成について
システム構成パターン
- スタンドアローン
- スタンドアローン+バックアップサーバー(スタンドアローン+レポートサーバー)
- プライマリー、セカンダリー(ACT-SBY)
システム構成パターンはライセンスファイルの投入で切り分けを行います。
よって、構成変更を行うにはライセンスファイルの再投入が必要になります。
1 スタンドアローン
サーバー1台で動作します。バックアップはブラウザから収集し、手動でDVDなどのデバイスへ行ってください。
2 スタンドアローン+バックアップサーバー
サーバー2台でInfiniTalk2.0を動作させます。2台のサーバーは同一機種でなくても問題ありせん。バックアップサーバーはレポートサーバーとしても動作しますので、処理能力の分散を考慮しPBXとレポートサーバーという分散構成が可能です。
サーバーの切り替えはできませんのでハード故障の場合は、復旧後にバックアップサーバーよりデータベースのリストアを行います。
3 プライマリー、セカンダリー
サーバー2台でInfiniTalk2.0を動作させます。2台のサーバーは同一機種のハードで実行させてください。
IPアドレスは、プライマリー、セカンダリーにぞれぞれの物地IPアドレスとアプリケーションIPアドレス(フローティングIPアドレス)の合計3つ必要となります。
アプリケーションIPと物理IPアドレスのセグメントは一緒にすることも、別にすることも可能です。
PCからコントロールパネルを参照するときは物理IPアドレスを利用し、電話機はアプリケーションIPアドレスを指定してください。
ハード故障時はコントロールパネルよりACT-SBYの切り替えが可能です。その場合、アプリケーションIPアドレスはACTからSBYにフローティングします。
データベース構成
次の2つのデータベースで構築されます。
- インフィニトークDB
- レポートDB
1. インフィニトークDB
Asteriskの設定データ、システムの設定データ、ユーザーのデータ、電話の発信着信の履歴のログデータがデータベースに格納されます。2台構成のシステムの場合、夜間にセカンダリー(バックアップ)サーバーと同期されます。
2. レポートDB
インフィニトークDBに作成された電話の発着信履歴のログデータとユーザーデータを基に定期的に集計、加工されデータベースに格納されます。2台構成のシステムの場合、セカンダリー(バックアップ)サーバーと常に同期されます。
ネットワーク構成例
サーバーにLANカードを増設することにより最大で3つのセグメントまで接続可能です。
プライマリー、セカンダリー構成で電話機が接続できるアプリケーションIPアドレスは1セグメントになります。他のセグメントに電話機は接続できません。
プライマリー、セカンダリー構成について
プライマリー、セカンダリーをACT-SBYで構成します。
- 通常はプライマリー(ACT)、セカンダリー(SBY)で動作します。
- コントロールパネルより切り替えを行うことによりプライマリー(SBY)、セカンダリー(ACT)の状態になります。
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Asteriskのレジスターの情報はデータベースで管理されており、セカンダリー同期によりDBを引き継ぐことで、切り替え後発着信がすぐに可能となりますが、パーク保留の情報はメモリーにあるため同期されず、電話機からの再登録後にパークが可能となります。
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プライマリーが故障した場合は、コントロールパネルよりプライマリーを切り離し、セカンダリー(ACT)で運用します。